音読

一日一曲 日々の気分で一曲をチョイス。 書くこと無くても音楽がどうにかしてくれる! そんな他力本願なブログです。

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第34週 The Lemon Twigs / These Words

 
できることと、できないことがある。
あの人にはできて、私にはできない。悔しいけれども、なんでなんだろう?努力が足りないのか、自分の生まれ持った感性や感覚が自分の能力と憧れに追いついていないのか。最近、こんなことでもやもやすることが多いです。
 
できないことをできるようにするには「まずやってみる」という手段もある。でもやってみて、自分が望んでいた結果を得られなかった時の絶望感たるや。そこから得るものももちろんあるけど、頑張ったという過程を見てくれる人はそんなに多くないし、やはり成果として何かを残せないと意味がないと思うわけです。そんな壁に四方八方塞がれて身動きが取れなくなるのが怖いのですが、やるしかない。やりました、と人に伝えて「この人は、これをやっている人」と認識してもらわなければ始まらない。でも成果物として…云々。
 
30歳が近くまで見えてきて、下から続々と出てくる化け物みたい才能を持った若い子たちに感動と脅威を覚えながら、自分はどうしたらよいのだろう?と最近考えています。今週の一曲はその一つでもあるThe Lemon Twigsからセレクトしました。
 
The Lemon Twigsは19歳の Brian D’Addario と、17歳の Michael D’Addarioの兄弟からなるインディーバンド。イギリスの老舗レーベル・4ADからデビューし、世界中を駆け回っているバンドです。今年のFUJIROCKにも出演します。
 
そんな彼らと自分を天秤にかけているわけではないのですが、この前実際に彼らのライブを目の当たりにして、初めて若い才能は恐ろしいと思ったんです。自分が取り戻せない何かが、そこにはあって。そのときに感じた、“取り戻せない何か”は年齢でカバーできない。だから私は、できるかできないか、自分の成果物云々なんて言っている暇なんて1ミリもないし、これからもやるしかないんだ、とその時に思いました。
 
今日も、明日も、若い才能に感動と脅威を感じながら、頑張りたいと思います。
 
 
text:岡安いつ美

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