音読

たぶん週刊ランラン子育て帖

どもんらんってどんな人?

2012年の1月、音読編集部のもとに赤ん坊が生まれました。名前はれんたろう。「にゃあ」というなき声がチャームポイントの男の子。新米ママ土門、今日も子育てがんばります。

からだの癖

蜀咏悄 2

(↑タイトル「チップをもらうダンサーれんたろう」)

 

 

保育士さんに、れんたろうの内股が気になると言われた。

人間は誰しも、生まれたときにはO脚で、やがてX脚になり、またO脚に戻るらしい、というのを一度テレビで見たことがあって、それでれんたろうがO脚で内股なのも自然なことなんだと思ってたんだけど、どうやら人よりもずいぶん内股がきついらしい。

それから意識して他の子を見るようにしたら、確かに言うとおりだった。

「歩行に支障が出たらいけないから、一度病院で診てもらったら」

と月1で保育所に来る小児科の先生にも言われたらしいので、

土曜日に自転車で小児外科専門の病院まで行ってきた。

夫も気になるというので三人で行った。

 

問診でれんたろうは号泣。

よく耳鼻科で鼻を吸ってもらうので、またそれだと思ったらしい。

四肢で私にしがみついて離れない。

「ちょっと歩かせてみてください」と言われたので床におろしてみたら、

恐怖のせいか内股じゃなくなっていてびっくりした。

「こんなもんじゃないんです、もっと内股なんです」とすごく言いたかったけど、

先生がささっとカルテに何かを書いて「レントゲンとりますか」と言ったのでうやむやになってしまった。

夫と「歩き方いつもと違ったよね…」「あいつの内股はあんなもんじゃない」などとひそひそ話し合う。

 

レントゲンを撮るので、下半身裸にさせてくださいと言われる。

台の上に下半身ヌードのれんたろうを仰向けにさせると、

れんたろう怖がって怖がってぎゃんぎゃん泣いて暴れる。

必死になって上を夫、下を私が押さえつける。

そのとき技師さんがそっと

れんたろうのおちんちんにひし形の黒いテープだかマグネットだかを乗せた。

なんかすごいシュールだった。

レントゲンが撮られる最中、笑いをこらえる両親であった。(ごめん)

 

結果、片方の脚が少し湾曲しているらしいということがわかった。

二歳近くになったら、靴に中敷を敷いて矯正しましょうと言われる。

「そんなに心配しなくてもいいですか」と聞いたら

「そんなに心配しなくてもいいです」と言われ、ほっとする。

 

育児はこれの繰り返しなんだろうと思う。

アレルギー、喘息、アトピー、からだの大小、知能の発達、etcetc。

大きくなるにつれ、その子がどんなからだなのかわかるようになってくる。

今のところれんたろうのデータは、内股で、鼻水が出やすく、中耳炎になりやすいということ。

からだの癖は、これからずっと付き合っていくものだ。

 

からだだけでなくきっと心にも癖があって、

かんしゃくを起こしやすいとか、臆病だとか、人見知りだとか、じっとしていられないとか、

いろいろあるだろう。

その心の癖とも、ずっと付き合っていく。

 

だから、むやみにいらいらしたり恐れたりしないで、

冷静に観察してうまく付き合っていくことが大事なんだな、と思う。

 

 

 

2013年7月のアーカイブ

これまでの連載