音読

たぶん週刊ランラン子育て帖

どもんらんってどんな人?

2012年の1月、音読編集部のもとに赤ん坊が生まれました。名前はれんたろう。「にゃあ」というなき声がチャームポイントの男の子。新米ママ土門、今日も子育てがんばります。

なんでコミュニケーション

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 ある日突然、れんたろうが「なんでー 」と言うようになった。

こういうふうに突然来るものなんだな、と思う。

「このよーぐると、どうしたん

とれんたろうが朝ごはん時に聞いてきたので

「ママが買った」

と答えると

「なんでー

と尋ねてくる。

子供の「なんで 」には真摯に向き合うべし、と何らかの本で読んだので、

私は丁寧に答えた。

「れんたろうが、いちごのヨーグルト好きって言ってたからよ」

するとれんたろうは間髪いれず

「なんでー

と聞いてきた。

真摯に向き合うべし、という教えは速攻で消え

「いいからさっさと食べれ」

と、さっさと朝食を食べさせた。

「なんで 」はさっそく黙殺されたわけだが、そのあとも頻繁に用いられた。

「さあ、この服着てね」

「なんで

「寒くて風邪引くでしょ」

「なんで なんでなん

「風邪引くんだよ、寒いから 」

「なんでなんでなんで

「さあ、寒いからじゃない

「なんでなんでなん

「なんでだろうねえ、寒いからじゃない

「なんでー

我ながらまったく深化しない会話なのだが、れんたろうは満足げだ。

まだ多分意味はわかっていなくて、あいづちみたいに「なんで 」と言っている。

何でもかんでも一応「なんで 」と言うと、私が返事をするので会話っぽくなるわけだ。

それが嬉しいのか楽しいのか、にこにこ笑いながら「なんで 」を連発してくる。

まだ気のきいた返しができない息子なりのコミュニケーションなのかな、とちょっとほほえましい。

でもあまりに「なんで なんで なんでー!!」とうるさいときは

「うるさい なんでもかんでもじゃ!!

と一喝してしまう。

でもそれもおもしろいらしくてにこにこしている。

そうか、彼は私とおしゃべりしたいのか、と思って笑ったら、

れんたろうも 声をあげて笑った。

今も横で

「なんでぱそこんしゅるの?なんで?」

と言っている。

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