音読

一日一曲 日々の気分で一曲をチョイス。 書くこと無くても音楽がどうにかしてくれる! そんな他力本願なブログです。

書き手:椎名あかねプロフィール

ドレスを買いました。 ── Weezer / Buddy Holly

 

 

私はなんだかんだ今まで、属に言うきちんとした結婚式に出席したことがない。

結婚式にお呼ばれしたのは過去に3回あるけれど、どれもパーティ形式のものだったり2次会のみの参加だったりでした。

 

1回目は披露パーティのみで、何も分からなかった私が選んだ服は振り袖。

和装していたのは私だけだったのもあって、めちゃくちゃ目立ってしまった。

2回目は郁さんのところの結婚パーティ。

この時のドレスコードはハロウィンの仮装ということだったので、皆さんめいめい工夫を凝らした衣装がすごかった。

出会って間もなかった私は遠慮の塊だったため、普通のワンピースでしたが。

3回目は2次会だけの参加。

振り袖=目立つという方程式を学んだため、この時は二重太鼓の訪問着で行きました。

 

何が言いたいかと言うと、私はドレスを持っていないということ。

なんと今月、2つも結婚式の予定があります。

どちらも2次会だけの参加なのですが、呼んで下さった方のことも考えてフォーマルな装いが良さそう・・・ということで、この間ドレスを買いに行きました。

そろそろ1着くらい持っててもいいですよね。そろそろ。

 

初めて入店したドレス専門店。

どれもこれも華やかで、何から探したらいいのか全く分からない。

優しく話しかけて来てくれた店員さんはみんな口を揃えて「2着目ですか?」「そろそろ買い替えですか?」と言う。

「実は初めてドレスを買うんです」そう言うと驚いた顔をされる。

はいはい、こんな歳で珍しいですよね、イチから説明するのめんどくさいですよね。

内心そんなひねくれたことを考えていたにも関わらず、店員さんは決まり事やタブーとされていることなどを丁寧に教えて下さいました。

なんかすみませんでした。

 

ただ、ここからが大変だった。

希望の色や形を聞かれたので適当に答えると、店員さんは笑顔でドレスを運んでくる。それもたくさん。

どれがお好みですか?と言われてなんとなく目に入った物を2着ほど指差すと、次はフィッティングルームに案内される。

あ、えっと、着るんですか・・・?はい!是非試着してみてください!着てみないと分かりませんからね〜!あ、着るのがちょっと難しいので、少し一緒に入らせて頂きますね〜と店員さん。

何が大変なんだ?と思っていると、運ばれて来たのはドレス専用のコルセット。なんか仰々しい。

下着のヒモが〜バストの形が〜云々説明しながらそれを装着させられ、やっとこさ1人になれた。フィッティングルームだけど。

めまぐるしく事が運んでしまったことに焦る。私は一人でゆっくりと見たかったのになあ。

 

ここで、気になることがもう1つ。

着てしまったら断れなくなるんじゃないか?そもそも、これいくらなんだ?

コルセットの値札を見る。15000円。無理だ。どうしよう。

私、試着した後に断るのが壊滅的に苦手なのですよ。

勝手に試着出来るお店はいいんです。ユニクロとか。

こうやって店員さんが付いてくれて試着するパターンで断れずに買った洋服、数知れず。やばい、冷や汗でてきた。

すると外から「大丈夫ですか〜?」と声がする。

全然大丈夫じゃない。色々大丈夫じゃない。

私「はい、大丈夫です〜!」

 

そして35000の値札を下げたドレスを試着してフィッティングルームを出る。

「お似合いです〜!」という言葉、申し訳ないけれど悪意にしか聞こえない。

売り物のミュールを履かされ、売り物のジャケットを羽織らされ、売り物のネックレスとピアスと髪飾りを装着され、売り物のバッグを持たされる私。

カモか?カモなのか?

「すごく素敵です〜!」・・・。

 

しかし店員さんの話は置いておいて、初めて着るドレスって本当に見慣れないから恥ずかしい。

違和感しか感じないこの姿、どうしたら似合ってると言えるのか。

とりあえず、早く脱ぎたい。

そこで欠かさず店員さんの登場ですよ。

「じゃあ次はこちらの試着もどうぞ〜!もう準備しておきましたよ〜!」

ああ・・・。

 

結局この後、最初に着たドレスをもう一度試着し、逃げ場の無くなった私はそれをお買い上げしました。

ついでに羽織らされたジャケットも一緒に。

アクセサリーやドレス用の下着等ももちろん薦められましたが、渾身の力を振り絞って断った。

私も、やれば出来るじゃないか・・・。(出来ていないか)

 

フラっと入ったお店でこんなことになるなんて思いもしなかった。

後で分かったことなのですが、ここは割としっかりとした所だったみたいで、全体的に値段が高めのお店でした。

やめとけばいいものを、私は他のお店のドレスを見に行ってしまったのです。

半分以下の値段で同じようなものが沢山あるのを知ってしまった時の気持ちと言ったら・・・。

いいもんね!いい買い物したんだもんね!それに1着くらいちゃんとしたいいドレス持っていてもいいもんね!だって私はもう24歳の大人なんだもんね!

そう自分に言い聞かせた帰路でした。虚しくなんかないもん。

 

せめて靴や小物は店員さんの居ないネットで買おう。

これまでの一曲