音読

たぶん週刊ランラン子育て帖

どもんらんってどんな人?

2012年の1月、音読編集部のもとに赤ん坊が生まれました。名前はれんたろう。「にゃあ」というなき声がチャームポイントの男の子。新米ママ土門、今日も子育てがんばります。

英会話を始めて思ったこと

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会社に英会話の習い事が導入された。

夏に社員全員でポートランドに行こうと話しているので、

そのためにはやっぱり当然英語を話せるようにならねばと

社長が英会話の先生を呼んでくれた。

先生の名前はレオ。

イギリス出身の紳士な人だ。

 

授業はこれまでに2回行った。

みんな程度の差こそあれ、

レオの言うことはなんとなくわかるけど

話すのはあまり得意じゃない、くらいだ。

会社の中ではデザイナーのさよこちゃんが多分

いちばん英語が得意な人だと思う。

 

私自身に関して言えば、中学・高校時代と英語は苦手じゃなかった。

というか、いちばん成績の良い科目だった。

なのに、今本当に「自分は英語ができないなー」と思う。

 

文法はかなり得意だった。

単語を暗記するのも好きだった。

でもいかんせん、リスニングがすごく苦手なのだ。

レオが何を言っているのかわからない。

多分完璧に理解しようとしすぎているのだろう、

一個わからない単語が出てくるとそこで詰まってしまって、

続く言葉が頭に入らなくなる。

 

私は日本人と話しているときもそうなのだけど、

相手が話していることを単語で理解しようとしてしまう。

なんとなく全体的に理解するのではなく、

一個一個確実に咀嚼しようとする。

だから、一個引っかかる単語があるとそこにこだわってしまう。

 

それでか知らないけど、人生の早い段階で、

外国語を話す人間と接することをなるべく避けていた。

ちゃんと外国語が話せるようにならないと

正確にその人を理解できないし私も理解してもらえない

と思っていた。

たぶん言葉を過信していたんだと思うし、

頭でっかちだったなと思う。

 

レオと今話していて、すごく楽しい。

 

言葉が通じない相手だからこそ、

ふわっと全体の雰囲気で理解しようとするし、

表情や体の動きを大切にする。

なんか、頭ではなくて体で話しているような。

 

ふと、国籍はちがっても

同じ「人間」という種類の動物なんだなと思う。

 

れんたろうはおしゃべりをするようになったけど、

もちろんまだまだ言葉が身についていない。

それで少ない言葉で自分の言いたいことを伝えようとして、

伝えられないから泣いたり叩いたり、

笑ったり怒ったりする。

 

子供は表情がすごく豊かだ。

惜しげもなく感情を表に出す。

それは言葉が使えないからなんだ。

レオと話しながら、なんとなくれんたろうの気持ちが理解できた気がした。

 

レオはよく「ディスカッションをしよう」と言う。

「あなたにとって成功とはなんですか?」

「お金や権力に人が執着するのはなぜだと思いますか?」

「ISISの人質殺害事件をどう思いますか?」

 

みんなでうーんと唸って考える。

よく学校ではそういうレポートや小論文を書いていたけど、

社会人になってからはこんなことを聞かれて言葉にするのは久しぶりだ。

スコップを渡され、

自分の足元を掘ってごらんと言われているようだなと思う。

でも久しぶりだからか土がかちこちに固い。

うーんと唸りながら土をがしがしほぐしていって、

地下にある自分の「哲学」みたいなものを取り出す。

 

「哲学」は、実は単純な単語で伝えることができる。

難しいことじゃない。全部シンプルなことだ。

 

きっと、子供だって「哲学」をもっている。

それを大人が「あなたはどう思う?」って

聞いてあげることが大事なんだろう。

まだ言葉が拙いからって、「きっとわからないだろうから」

ではじめから聞かないとそれはいつまでたっても出てこない。

子供も土を掘ろうとしない。

 

「ディスカッション」、家庭でやってみるものいいかもしれない。

「れんたろうはどう思う?」

その質問で、れんたろうは土を掘り出すだろうし、

そうやって耕された柔らかい土にはいろいろな命が育ちやすくなると思う。

 

英会話でいろいろなことを学んでいる。

こうして新しいことを始めると、発見があっておもしろい。

 

 

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おどけるようになったれんたろう。

変な顔をしたり、変なポーズをしたりして、

自分でウケています。

 

ーーーおしらせーーー

【音読12号、完成しました!】

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お待たせしました。最新号12号発刊いたしました。

特集は「京都のレーベル」。

そもそもレーベルとは一体何なのか?

誰がどのような気持ちで行っているのか?

そんな素朴な疑問から生まれたこの特集。

F.M.N.Soundfactory、bud music、

SECOND ROYAL RECORD、生き埋めレコーズといった、

京都を拠点に活動するレーベルに取材しています。

メジャー、インディーズ、両レーベルを経験したミュージシャンによる、

赤裸々な覆面座談会も掲載。

今回はページ数を増やしているので部数がいつもより少なくなっています。

随時配布完了場所をTwitterでつぶやいているので、

ぜひお早めに手に入れてください。@otoyomi_kyoto

 

【音楽評論家・岡村詩野さんに取材しました】

Kyoto Art Boxにて、岡村詩野さんへのインタビュー記事を

掲載していただきました。

▽「音楽評論家から見た京都の音楽シーン」

http://kyoto-artbox.jp/dialogue/23894/

 

くるりの音楽博覧会の功績、東京との違い、京都の課題、

若手ミュージシャンや音楽ライター講座の生徒についてなどなど、

非常に興味深い内容となっています。

地方で活動される方にとってはヒントになるのではないかと。

ぜひ読んでください!

 

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