音読

たぶん週刊ランラン子育て帖

どもんらんってどんな人?

2012年の1月、音読編集部のもとに赤ん坊が生まれました。名前はれんたろう。「にゃあ」というなき声がチャームポイントの男の子。新米ママ土門、今日も子育てがんばります。

身体を大切にしましょう

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先週は月曜から金曜までれんたろうの水ぼうそうで欠勤していたので、

今週はがんばるぞーと意気込んでいたら

今度は私が扁桃腺炎にかかって三日休んでしまって

有休が一気になくなった。

 

私は扁桃腺が大きいらしく、よく扁桃腺炎にかかる。

なので、フロモックス、ムコダイン、ノイチーム、トランサミンという、

耳鼻咽喉科で毎回もらう薬をいつも持ち歩いている。

喉の調子がおかしくなったらすぐ飲んでちらしていたのだけど

今回は全然効かなかった。

 

金曜に兆候があって薬を飲み、それでも治らなくて

月曜の帰りいよいよ声が出なくなった。

れんたろうと耳鼻科に行ったらやっぱりこの4種類の薬をもらった。

それでまた飲んで寝たのだけど、翌日もっとひどくなっていた。

 

喉がやけたみたいに痛い、身体中が冷たくて寒い、

鼻が詰まって息ができない、頭ががんがんして痛い。

朝、職場に休むことを伝え、

無理やり起きてれんたろうを保育所に連れていき、

それからごはんも食べずに夜までぶっ通しで寝た。

 

翌日、さらに悪くなっていた。

早く仕事を再開させたくて薬を飲んでいたけれど、

身体がストを起こしているみたいで全然思うようにいかなかった。

がんがん痛む頭を抱えて

「もう薬を飲むのはやめよう」と観念した。

「ちゃんと熱を出して細菌を殺そう。治るまでちゃんと休息をとろう」

そう思ってがたがた震えながらふとんにくるまって、

熱が出るのを待った。

 

年をとると熱を出すのも一苦労だなということを考えた。

子供は自浄能力が高いのかすぐに熱を出せるけど、

大人になると熱を出すまで時間がかかってしまう。

 

それとも薬でちらしていたのがいけないかったのかな。

最近の私は軽い頭痛はカフェインで、

体調不良は薬や栄養剤でごまかしていたから、

身体自体の力が弱まっているのかもしれない。

 

なんか、自分の身体を大事にできていなかったなあと思う。

自分の身体を大事にできるのは自分しかいないのに。

いちばんないがしろにしていたなあ。

 

足がすごく冷たくて、湯たんぽを布団の中に入れた。

「熱出ろ熱出ろ」と思いながら目をつむっていたら、

二時間後くらいに急に身体が熱くなって、

はかってみると39度まで上がっていた。

汗をいっぱいかいた。頭ががんがんしてすごい辛かった。

意識が朦朧として今何時なのか全然わからず

気がついたときには夕方で、

夫がれんたろうを連れて帰ってきてくれていた。

 

れんたろうが

「まま、まだおくちきけないの」

と言うのでうんうん頷いたら、ふとんに滑り込んでほっぺたをこすりつけてきた。

外から帰ってきたばかりのれんたろうのほっぺたは冷たくて気持ち良かった。

 

保育園の連絡帳を開くと

「れんたろうくんが『まま、今おくちがきけないねん』と教えてくれました。

『ママを休ませてあげようね』と言ったら

『ぼくいい子にしとく』と言っていましたよ」

と書いてあった。

 

翌日はやっと起き上がれるようになったので、

少しだけ家事をしたりパソコンを開いたり、お風呂に入ったりした。

夕方れんたろうを迎えに行ったら、

久しぶりに私が迎えに行ったからなのかすごい笑顔で抱きついてきて、

「みて!ぼくのママやで」とまわりの友達に言っていた。

「もうお口聞けるよ」と言ったら安心したのか

「いっしょにあそぼう!ぼくママにおべんとうつくってあげる」

と言って、教室で長いこと遊んでいた。

 

れんたろうはこの3月で、保育園の乳児棟を出る。

4月からは幼児棟にうつり、4歳や5歳の子たちといっしょに過ごすことになる。

「もうここに来ることもなくなるねー」と言ったら

れんたろうがお弁当を持って

「さ、しごといこ!」と言ったので笑った。

 

また明日からがんばろう。

でも無理はせずにいよう。

ちょっと立ち止まったり、休む時間をつくろう。

れんたろうの顔を見ながらそう思った。

 

病み上がりの身体は、なんだか優しい感じだ。

大切にされたものは、きっと優しくなるんだろうな。

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