音読

たぶん週刊ランラン子育て帖

どもんらんってどんな人?

2012年の1月、音読編集部のもとに赤ん坊が生まれました。名前はれんたろう。「にゃあ」というなき声がチャームポイントの男の子。新米ママ土門、今日も子育てがんばります。

育て育てられの循環の中で

S__12189702

次男が通う保育園で、バザー委員の部長をしている。

 

うちの保育園には、保護者は全員必ず何かしらの委員会や部に入らないといけないという決まりがある。

バザー委員の他には、学習部とか、文化レクリエーション部とか、クラス委員とかいろいろあって、みんなどこかには所属しないといけない。

委員と部が入り混じっている理由もよくわからないし、なぜかわたしはバザー委員なのに部長なのだが、まあそれは置いておいて、つまりは保護者も主体となって関わろうという保育園なのだ。

 

わたしはもともと熱心に保護者の活動を行う方ではない。

だから逆に、別にどの委員でもいいやと思っていて、昨年は誰からも立候補がなく一個だけどうしても枠が埋まらなかったバザー委員会に入ることにした。

そしてさらに、バザー委員会の中でも、部長の枠に誰からも立候補がなかったので、部長をやることにした。

それもこれも、会議が長引くのがいやだったからだ。わたしは、長い会議だけはどうも苦手だ。長引くくらいなら、バザー委員だろうが部長だろうが引き受ける。それに部長になれば、自分の権限で会議を短くできるだろうという思惑もあった。

 

「バザー委員会はやることが多く会議が長い」と言われていたが、わたしはとにかく楽がしたかったので、部長就任1年目のスローガンは「売り上げよりも楽をしよう」というものにした。バザーで得た収益はすべて園に寄付するのだけど、それで保護者がボロボロになっては子供のためにならない。その意見にはみんな賛同してくれて、会議を短くし、やることを少なくし、とにかく楽をするためにどうすればいいのかアイデアを出し合った。結果、アンケートでは「例年よりも楽だった」というご意見が多い中、収益は例年と変わらずという良いことづくしになった。よくがんばったなぁと思う。

 

そして今年。コロナが襲って、バザーはなしかなぁと思っていた矢先(なので部長は今年も快く引き受けた。仕事ないと思ってたから)。

「今年はどういうふうにします?」と先生に言われ、「そうですねぇ」とか返しながら内心「あ、やるんだ」と焦った。そこから、怒涛のバザー構築が始まる。

 

コロナ対策を行いながら、可能な限り収益を上げるのが今年のミッション。

今年くらい寄付を募るのでもいいのでは、という声もあったが、バザーはみんなで子供のために労働をするという「コミュニケーション」である、という理念があるので、それはできない。バザーをやるなら、あくまでバザーなのだ。

何を売るか、どこでやるか、どう商品を集めるか、誰を呼ぶか、などなど、例年とは違う形に向かってガンガン判断・決断していく。それが間違っているかどうかはもう気にしない。初めてのことなんだから、失敗したっていい。そんな気持ちで進めていった。

 

いちばん大変なのが、メーリングリストを作ることだった。

LINEを使っていない人がいるのでメーリス文化がまだ残っているのだが、これがもう本当に大変。個人情報なので園から共有してもらうことはできず、メールアドレスをひとりひとり直接集め、招待し、迷惑メールに振り分けられているようなら「迷惑メールに振り分けられていませんか」と聞き、全員が揃うまでに2週間はかかった。

 

そこからは、zoomの会議やメーリスでさまざまなことを詰めていく。

zoomでも、うしろにいる子供たちがテンション高く騒ぐので、何を言っているのか聞こえないことも多々。そんな中でどんどん物事を決めていく。そうしないと間に合わないのだ。

日中は仕事をして、帰ってきたら家事育児をして、そのあいまにバザーの会議や仕事が入る。わたしもそうだけど、みんなすごいなぁと思う。

 

 

そんな中ある変化が起きている。それは保育園に行くと誰かしらに「バザーの準備、ありがとうございます」とお礼を言われるようになったことだ。

「バザー大変でしょう。お疲れ様です」「何か手伝える事があったら言ってくださいね」

温かい言葉を受け取りながら、ああ自分は今、園のために動いているんだなぁと思った。

最初は適当で不純な動機だったし、今年もやる気はなかったのだけど、こんなふうに感謝されて初めて、自分の行動が結果的に保育園のためになりつつあるのだということに気づいた。

そう気づかせてくれた周りの先生や保護者の方をさすがだと思う。うちの保育園の保護者が活動熱心なのは、本人の意識がどうこうというよりも、周りがちゃんと感謝する文化があるからではないだろうか。「何かをしてくれた人に感謝する」という文化・環境は、そこにいる人たちの意識を変えていく。当たり前のようだけど、実はできないことだ。

どうやらわたしも、まんまと活動熱心な保護者のひとりに育てられたようだ。

 

バザー委員の部長になってから、保育園の遊具や設備が少しずつ気になるようになってきた。収益金がその修繕に充てられるからなのだけど、今のわたしの活動もまた、こどもたちが遊び暮らすこの環境を作っていっているのだなと思うと、育て育てられの循環だなぁとしみじみしてしまう。

 

もうすぐバザーの開催日。みんなが無事に楽しめますように、と願っている。

2021年1月のアーカイブ

これまでの連載