音読

一日一曲 日々の気分で一曲をチョイス。 書くこと無くても音楽がどうにかしてくれる! そんな他力本願なブログです。

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第14週 BABY BABY / 銀杏BOYZ

 

 

更新が回ってくるまでだいぶ時間があると、毎回思っているのですが
今回はとにかくあっという間の3週間でした。
気がついたら11月、コンビニには冬限定のビールが並んでいて。
時の流れの早さに圧倒されている岡安が今週の一週一曲を担当します。
 
 
先週末はボロフェスタ2016の取材で多くのバンドの撮影をしてきました。
今年でボロフェスタの取材を始めて3年目。今年はいつも以上に充実した3日間となりました。
 
特に今年は私が学生の頃に追いかけていたバンドたちを取材できたことがとても不思議で。お客さんとしてライブに行っていたバンドたちに、仕事として向き合える喜びと緊張。こんな日が来るなんて、学生の頃の私に教えてあげたい気持ちでいっぱいです。今週の一曲は、そのボロフェスタの取材を締めくくった銀杏BOYZ(以下銀杏)から。
 
GOING STEADY(以下ゴイステ)や銀杏は私たちの世代にとっては外せないバンド。中学生の頃、MONGOL800が大流行してクラスの子達が騒いでいる中、私はお兄ちゃんの部屋からこっそりCDを持ち出し、音源をMDに落として、ひたすらゴイステを聞いていました。もちろんゴイステの異常なほどの人気を誇っていたのは知っていますが、茨城の片田舎の中学生だった当時の私はそんな事実を知る由もなく。みんななんでゴイステを聞かないんだ!馬鹿だなあ!と思っていました。今となっては恥ずかしい過去です。とにもかくにも私の青春時代にとってゴイステは欠かせないバンドの1つです。
 
銀杏は昨年京都に来ていて、そこで初めて峯田和伸がライブをしている姿を見ました。ステージにはギターとマイクだけのシンプルなアコースティックセット。行儀のよく椅子になんか座っているけれど、ものすごい形相で歌っている峯田を見て、学生時代がフラッシュバックしていました。思い出して嬉しいことも、思い出したくないこともすべて歌に詰まっているとそのときに思いました。
 
そして、先週末のボロフェスタ。
ライブの中盤で演奏された“BABY BABY”では、峯田はほとんどマイクの前で歌わず、オーディエンスと共に合唱。こんなにたくさんの人間が大声で歌える曲が今まであっただろうか?と思うくらいみんなが歌っていて、気がついたら私も大声で歌っていて、その光景に涙が出そうになるくらい感動しました。
 
峯田がライブ冒頭で「俺にもみなさんにも音楽があってよかったですね」とMCで言っていたんですが、ちょうど最近同じようなことを考えていたので、どきっしました。
 
仕事でへこむことがあった日でも、心ない言葉で傷ついた日でも、私は音楽に救われているのだ、と。そして、ライブハウスやボロフェスタのような逃げ場が私はあるのだと。嫌なことも悲しいことも全て音楽で帳消しになる。私は音楽が好きで本当によかったなあ~と最近心から思えるようになっていて。
 
思えば音楽に突き動かされて、私は京都までやってきて。音楽と関わりたいという気持ちだけで、好きなバンドの写真が撮れるようになっていて。ボロフェスタでは最近あった嫌なことを全て忘れるくらいの感動をもらって。音楽で人を変えることはできないと思っていたけどけど、音楽のパワーは確かに人に作用することを、この日の銀杏のライブを見ていて強く思いました。
 
みなさんは、今までに音楽好きでよかったと思う瞬間ありましたか?
音楽に救われた!と思う瞬間ってありましたか?
やっぱり音楽が好きでよかったよね、ってこれからも思い続けるのだろうし、これからもそんな自分でいたいです。
 
 
text by 岡安いつ美

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