音読

たぶん週刊ランラン子育て帖

どもんらんってどんな人?

2012年の1月、音読編集部のもとに赤ん坊が生まれました。名前はれんたろう。「にゃあ」というなき声がチャームポイントの男の子。新米ママ土門、今日も子育てがんばります。

春日野道

さーちゃん

高校のときからの友達に会いにいった。

彼女は春日野道に住んでいる。春日野道って、いい名前。

 

れんたろうと阪急に乗って向かった。

ふたりでのお出かけではこれがいちばんの遠出かもしれない。

阪急は産休に入るまでずっと乗っていた乗り物なので、

妊娠中の通勤ラッシュとかつわりを思い出してしまう。

でもお昼前だったから座れてよかった。舞妓さんがいた。

 

おひる

 

 

 

 

 

 

さあちゃんの住むマンションは白くて、階段がうねうねとしていておもしろい。

おなかを空かせてお部屋にあがらせてもらったら、

こんな素敵なお昼ご飯が待っていた。

 

豚肉のストウブ煮込みに、

万願寺唐辛子を焼いたの、

それから鮭としそのちらし寿司に、

かきたま汁。

パプリカやねぎなどいろいろな野菜の自家製ピクルス。

どれもこれもおいしくて、ついぱくぱく食べ過ぎてしまった。

さーちゃんは料理上手な女だ。

 

 

ゼリー

 

 

 

 

 

 

デザートはおみやげのゼリー。

うちの近くのヤオイソというフルーツサンドで有名な果物屋さんで買ってきた。

無花果のゼリーと、

フルーツ葛あられ。

どちらもおいしくて驚いた。とくに無花果は完璧な食べごろ。

食べごろの無花果にはなかなかめぐり合えないので、とても嬉しい。

フルーツ葛あられは葛もちの上にいろんな果物が載っていて黒蜜をかけていただく。

何ておいしいんだろう。また買おう。

 

 

さーちゃん

 

 

 

 

 

 

さーちゃんは子供とすぐに仲良くなってしまう。

そういう才能があるんだろうと思うくらいに。

れんたろうもよく懐いて、

ずっと何かを話しているのかおしゃべりをしていた。

 

彼女と会うといつも発見と刺激がある。

だから春日野道まで行きたかったというのもある。

本棚を見ていたら、

チョコレートの本とクンデラの本を貸してくれた。

 

私たちはずっとしゃべり続けていて、

「ごめん、話変わるんじゃけど」と、

話しているうちにどんどん次に話したいことが浮かんできて、困った。

でもそれは嬉しい困り。とても楽しかった。

 

結局夕方までいついてしまった。

帰りは駅まで送ってもらったのだけど、

柄本明とその子供の話で盛り上がって改札の前でまた話し込んだ。

 

通勤ラッシュにひっかかってしまい、

寝ている米のようなれんたろうをぶらさげて満員電車に乗った。

だけどサラリーマンに二度席を譲ってもらって、

私はほとんど座ることができた。

ありがたく、しみじみと座らせてもらって、

私もちょっと寝そうになった。

 

 

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